趣味としての習い事

大人になり、仕事をはじめると、「ただ働くだけ」の毎日になってしまったという人も多いものです。「仕事」というものは自分を「生かす」ための、そして自分が守るべき人を「生かす」ための大切なものなのです。

「仕事をするしか能がない」という人は、毎日忙しい日々を過ごしていることでしょう。休みの日にも仕事をする、朝から夜まで、起きてから寝るまで仕事のことを考えているという人はたくさんいます。その結果として自分が生きていくためのお金や、家族を生かすためのお金が稼げているのですから、それはそれで正しいことです。ただ、「それだけ」でいいのか、ということに気が付き、ふと自分の生活、身の回りまことを振り返るという人も多いのではないでしょうか。

立場の違う人から見れば、「ただ稼ぐ」ということだけをとってもとても大変なことです。「仕事を得る」ということがとても難しくなってしまった時代、「正社員」として働くことがとても困難になってしまった時代が「今」です。そのような時代に、「稼ぐだけではダメだ」と言えること自体が羨ましいと感じる人も多いでしょう。

ですが、実際に仕事だけしかしてこなかった人は、引退後「何をしたらいいのかわからない」という状況に陥ることになります。何をして生きていけばいいのが、残った短くない人生、どのようなことで時間を潰せばいいのか、わからなくなってしまうものなのです。その先に待っているのは「人よりも早くボケてしまう」という、バリバリ働いていた頃の姿からは想像もできないような悲惨な姿なのです。

「趣味を持つ」ということは、働く時間も充実させることができるものです。仕事以外の楽しみを持つことで、仕事とプライベートのメリハリが明確になるものです。また、「家に帰るために働く」ということだけではなく、仕事以外のところで自分が好きなことのために、「稼ぐ」という、新しい目的が生じるものです。「趣味」は、人生を謳歌するためには必要なことなのです。

そのような「趣味」を定期的に続けていくためにも、「習い事」はとても有効かもしれません。なにかのカルチャー教室に通いはじめれば、決まったサイクルで決まった時間、その習い事に没頭する時間がつくれるものです。日々の仕事が嫌いなものではないのだとしても、ずっとそれだけでは視野も広がらなくなってしまうというものです。そうではなく、生活にメリハリをつけるためにも仕事以外の楽しみを持つということは必要なものです。

そうすることで結果的に仕事にも身が入るようになるものです。生活に緩急をつける、メリハリをつけるためにも、何か違うことに目を向けることはとても有効なのではないでしょうか。ただ働いているだけでは得られない視点、視野が得られるかもしれません。それは仕事での発想にもつながることかもしれません。趣味を持つこと、何かの文化に触れることは、時間の無駄使いではないのです。人生を豊かにするための取り組みなのです。