習い事の先生に「お礼」は必要か

習い事とはいえ、「先生」は先生です。昔から「先生」という存在は、自分よりも「先を行く人」ということで敬うものでありました。そこで、迷ってしまうのがその「先生」に対しての「お礼」を用意しなければいけないのかどうかということです。

その習い事が、「企業が運営しているスクールチェーン」であるのであれば、まずそのようなお礼に関することは気にしなくても構いません。企業が全国に展開しているようなスクール、それが直営であってもフランチャイズであっても、そのようなことを気にする必要は全くありません。むしろ、企業で定めている以上の収入を、その講師が得るようなことがあってはいけないのです。

事業として運営されているスクールは、その講師の給与は規定によって定められています。それは、生徒側はわからなくてもいいことで、そのスクールを運営している企業がどのような規定で、どのような評価で、その講師を判断しているのかということに依るのです。ですから先生個人に対する「お礼」のようなものは、この場合では必要がありませんし、むしろ、そのような規定外の収入を、仕事中に得てしまう講師が罰せられてしまうことだってあるのです。そうなってしまうとその先生の授業が受けられなくなってしまうかもしれません。

また、そのような大規模に展開されているスクールであるにもかかわらず、講師から「お礼」を求められるようなケースもあるかもしれません。そのようなことが規約にもなく、それとは別にしっかりと月謝などの費用を支払っている場合は、そのスクールを運営する会社の「本部」に訴え出ましょう。「費用とは別にお礼を求められた」と伝えれば、その講師は罰せられるはずです。

迷ってしまうのは、そのようなケースではない場合でしょう。そのスクールが全国的に展開しているような大規模なものではない場合、例えば講師が個人で生徒を募集して、独自に生徒を集めているような場合です。習い事というよりもむしろ「お稽古ごと」といえるような場合は、その先生に対して「お礼」を支払うのが「普通」になっている場合があります。

そのような場合はその「普通」に従うべきでしょう。他にもその習い事に通っている方などと相談し、「いくらにするべきで、いつ渡せばいいのか」ということを示し合わせておけばいいでしょう。

そのような「お礼」の相場は、その先生にもよるのです。その先生が著名な方であり、受講できることにとても価値があるのであれば謝礼として結構な金額を支払うことが多いです。それはその習い事にもよりますし、その先生のタイプ、通っている他の方にもよります。茶道や華道、踊りなどの伝統的な文化を学ぶ習い事に、このような「お礼」の文化は多く存在しているようです。「月謝」とは別に支払うことになるので痛手ではあるのですが、そこに「価値」を見いだせないのであれば、その慣習を変えようとしても、個人経営では難しいところでしょうから、通うこと自体を考えなおすしかないかもしれません。